偏食と病気

【発達障害と偏食】の関係は?子供の発達障害と向き合う

更新日:

子供が偏食で好き嫌いが多い場合は、もしかすると発達障害である可能性があります。

 

このページでは、発達障害と偏食の関係について詳しくまとめています。発達障害の子供は偏食を持つ事が多いだけでなく、「食事に関係する様々な難題」を抱えています。

 

専門家の先生の研究結果を論文から読み解いて、解決方法を順番にお伝えしますので、発達障害のお子さんの偏食や食事の悩みで悩んでいるご両親はよかったら最後までお読みください。

 

また、発達障害と診断されていなくても、子供が食事中にとる態度が普通の子供とちょっと違う…、様子がおかしい…、と心配なご両親にもお役に立てると思います。

 

発達障害の子供が抱える問題には、偏食や欠食といった食事に関する問題が大きな割合を占めることは研究結果からも明らかになっています。

 

ここでは、発達障害と偏食の関係をきちんとした論文と研究結果を元に説明していきます。主に高橋智先生の『発達障害を有する子どもの「食」の困難に関する実証的研究』を参考にさせていただいています。

 

もし自分の子供が偏食で、もしかすると発達障害があるのでは…と心配されている方は参考にしてくださいね。

 

 

子供の発達障害とは?

子供 発達障害

子供の発達障害とは、一般的にはアスペルガー症候群、ADHD(注意欠如多動性障害)、高機能自閉症、トゥレット症候群、LD(学習障害)といった症状・病気です。

 

主に先天的な脳の機能障害が原因となって、乳幼児に他の同年齢の子供に比べて発達の遅れが見られ、知能障害や精神障害を伴う場合があります。

 

先天性の脳機能障害であって産まれてからの後天的な障害ではないので、もし子供が発達障害と診断されてもご両親は自分を責めないでくださいね。

 

生涯にわたり子供の発達障害と向き合っていく必要があるので、孤独に家族だけで悩まずに、周囲の専門家、福祉サポートの方々に協力してもらい愛情を持って生活していくことで解決できるはずです。

 

 

発達障害と偏食の関係

偏食 発達障害
発達障害の子供は、食事に関して様々な困難を示すことがわかっています。好き嫌い・偏食だけでなく、異食、咀嚼や嚥下の困難、食事マナーを守れないなど、発達障害の子供は健常児では普通にできる事ができない場合があります。

 

発達障害を調査した論文によれば、自閉症児の半数以上が偏食を持っていたようです。そして、自閉症児の40%近くが共通して食べられない食品が存在するなど、発達障害と偏食には関係性があることが研究結果で報告されています。

 

また、発達障害の子ども達は食事に関する様々な課題を持ち、それが偏食に密接に関係していることが研究結果からわかっています。

 

それでは、発達障害児の偏食に結びつく食事の問題をひとつずつ解説していきます。

 

偏食の機能的な問題

発達障害児の偏食問題として、機能的に食事が困難な場合があります。

 

簡単に例えれば、発達障害児に見られる特徴で「口いっぱいに詰め込んでしまう」ことや「よく噛まずにそのまま飲み込んでしまう」といった咀嚼や嚥下に関する問題があります。

 

これは健常児に比べてよく見られる特徴で、この要因についてはほとんど明らかにされていないのが現状のようです。

 

これを発達障害の影響と気付かずに、強く叱ってしまうとその食材に悪印象を持ち食べなくなる可能性があります。

 

発達障害だけに見られる偏食の理由

発達障害の大人・本人に話を聞くと、偏食の原因が特異なものが多いのも特徴です。

 

例えばアスペルガー症候群の方は、「トマトやピーマンのような単色の食材は気持ち悪くて食べられない」と答え、健常者とは違った悩みから偏食になっている場合があります。

 

他にも「形がいびつだと気持ち悪くて食べられない」など、味覚や臭い、食感といったものではなく、色や形が原因で偏食になっているのも特徴と言えます。

 

まとめると、発達機能障害の偏食としては…

  • 感覚の過敏や鈍麻に関する偏食
  • 身体調整機能の問題に関する偏食
  • 食べ物に対する特異な認識が原因の偏食

など、健常者の偏食の理由ではめったにみられない事が偏食の原因になっている場合があります。

 

 

発達障害『体の構造』の問題

発達障害の子供

このように、発達障害児の偏食は健常者のそれとは原因が違うことがあり、たんなるわがままだと誤解されやすいのが解決を難しくしています。

 

例えば「食べたことのないものが怖い」という感覚から偏食になっている場合などは、発達障害者独特の偏食の理由なので、たとえ親でも理解し難くてわがままを言っていると思われ、その結果、理解されずに偏食が解決しない事があります。

 

発達障害児の偏食が誤解を受けやすい主な理由で、これらの『体の構造』が問題になる場合があります。

  • 摂食中枢が理由の偏食
  • 感覚器が理由の偏食
  • 消化器系が理由の偏食
  • 循環器系が理由の偏食

これら、発達障害児の体の構造の問題で、偏食になる理由をひとつずつ解説します。

 

摂食中枢が理由の偏食

これは、食欲がない時はまったく食べない、逆に食欲がある時はとめどなく食べ続けるといった、摂食中枢の問題でおこる食事の困難な状況をいいます。

 

発達障害の方には摂食中枢に問題があって、健常者とは違う食欲を示す場合があります。

 

特定の食材だけでなく、食事そのものに無頓着で興味がわかないという例もあり、摂食中枢の調整機能に何らかの問題がある可能性が推測されます。

 

もし子供の食欲にばらつきがあったり、食事そのものに関心がない場合は、発達障害を疑っていいかもしれません。

 

感覚器が理由の偏食

これは感覚が鋭敏すぎたり、逆に鈍感で偏食になってしまうことを指し、例えば発達障害で多い理由に「ひどい猫舌で熱い物を食べられない」というものがあります。

 

他にも、色や形が気持ち悪い、怖い食べ物があるなどです。

 

食感だけではなく、色覚などの感覚で食べられないというのは非常に特徴的なので、健常者からすれば理解しがたいですが、もしこういった理由で子供が偏食であるなら、発達障害の可能性を考えてあげるのがいいかもしれません。

 

消化器系が理由の偏食

これは咀嚼や嚥下に関する困難を示す場合で、魚の小骨が必ず喉に引っかかる、舌をかんだり気管に入ったり誤嚥しやすい、噛みたくなくて丸呑みしてしまう、などがあります。

 

「魚の小骨が必ず引っかかる」や「丸呑みしてしまう」というのは、健常者からすれば理解しにくいので誤解を受けやすいですが、ワガママで言っているのではない可能性があることを知識として知っておくことは大切です。

 

循環器系が理由の偏食

これは頭痛や悪寒、体の震えなどの症状がでるもので、例えばコーヒーやお茶を飲むと頭痛がして寒気がする、とか果物の柿がシャリシャリすると寒気がでる、といった偏食の理由です。

 

これらは健常者では0%の理由なので、やはり発達障害児本人でないと理解しにくく、親が理解してあげるのが遅れる可能性が高いです。

 

 

発達障害『食生活』の問題

子供の偏食

ここまでは発達障害児の体の構造的な食の困難を説明しましたが、さらに食生活において様々な偏食のパターンが存在します。

 

主な食生活の困難な状況には以下のものがあります。

  • 食嗜好
  • 食事量
  • 食べ方
  • 食べる場所

食嗜好の困難

発達障害児の場合、単純に好き嫌いが激しいというのもやはり理由としては多いです。

 

特に一度好きになってしまうとその食材だけにこだわりを持ち、その逆もしかりで、特定の食材だけは絶対に体が受け付けない、といった頑固な食嗜好のこだわりを見せることが多いです。

 

ブロッコリーだけは絶対に体が受け付けない、キュウリだけは絶対に体が受け付けないといった、健常者では0%の項目でも発達障害者になると、食嗜好に確固たるこだわりが出て、偏食の要因になっています。

 

食事量の困難

食材の趣味趣向、好き嫌いではなく、食事の量がわからないというのも、発達障害児ならではの困難といえます。

 

それは量だけでなく回数にも言えることで、一日に何回食事をすればいいのかわからない、1回の食事量がわからないといった特徴があります。

 

ストレスで過食になる人は多いですが、発達障害の場合はお腹がいっぱいで苦しくても、あるものが無くなるまで食べないと気がすまないといった傾向もあるため、食事量のコントロールが効きにくいのが特徴です。

 

食べ方の困難

発達障害児は健常者から見ると、理解できないところにこだわりを持ちます。

 

食生活では、食嗜好、食事量についで「食べ方」にこだわりを持つ子供がいて、例をあげると、味が混ざるのが嫌でオカズを順番に食べて最後に白米を食べるといった、三角食べができない例があります。

 

他には、必ず決まった時間に食べないと苦痛だとか、いつもと違う順序で食事するのを苦痛に感じるといった例があります。苦手ではない食材でも、調理方法が変われば食べられないといったものもありますが、これは健常者にも見られる傾向ですね。

 

食べる場所の困難

発達障害児は、食べる場所に健常者とは違う困難が待ち受けています。

 

学校で勉強をしたあとの机で食べることに嫌悪感を感じたり、外食では他人の存在や音が気になって味わうことができない、など、一般的には苦にならない理由で食事が困難になるケースがあります。

 

普段は積極的に食事できるのに、給食だけは食べることを拒んだり、外食になると食欲がなくなってしまう子供がいれば、発達障害でこういった状況に置かれている可能性があります。

 

 

発達障害者が訴える食事の困難トップ10

発達障害 食事

ここまで、高橋智先生の論文『発達障害を有する子どもの「食」の困難に関する実証的研究』から発達障害者の偏食・食事が困難な理由を説明してきましたが、ここで大人の発達障害者が訴える自分が食事でこれは難しいと思ったトップ10をご紹介します。

 

  1. 人の輪の中でどのように振る舞えばいいのかわからないため会食はおそろしい。
  2. においの強い食品は食べられない。
  3. 大人数の食事は、音や匂いなどの情報があふれて辛い。
  4. 自分が予想していた味と違う味だと食べられない。
  5. 魚の小骨は全部はずさないと、必ずのどに引っかかってしまう。
  6. 色や形以前に、見るだけで気持ち悪かったり、怖い食べ物がある。
  7. ブロッコリーは、体が受け付けない。
  8. 頭をよく働かせている時には水分が欲しくなり、四六時中ガバガバと水を飲んでしまう。
  9. 納豆は、体が受け付けない。
  10. 異常に喉が渇き、一日に何リットルも飲み物を飲んでしまう。

このように、健常者ではあまり見られない食事の困難な理由があるので、これらはけっしてワガママではないんだということを、理解してあげましょう。

 

大人になれば自分で意志を伝えることができますが、発達障害の子供では自分がなぜ食事で困っているのかうまく説明できないかもしれません。

 

なので、こういった理由で発達障害児は困っているんだよと知ってもらうだけでも理解が進むと思います。

 

11位以降の理由は、論文に詳しくまとめられていますので、よかったらそちらもご確認ください。

 

 

発達障害児の偏食を改善するには?

偏食 改善

ここまで、論文の内容をまとめてきましたが、それでも内容的には長くなってしまい申し訳ありませんでした。それだけ、発達障害を持つ子供が偏食になる理由が多岐にわたることを示しています。

 

それでは、発達障害を持つ子供の偏食を改善させる事はできるのでしょうか?

 

発達障害の子供は、なぜ食材に好き嫌いがあるのか、偏食の原因を自分で説明することが難しい場合が多いです。ですが、大人の発達障害者本人の声から改善方法を考えることができそうです。

 

発達障害本人が求める理解・支援

発達障害者の方ご本人が、「食事に関する困難」でみなさんの理解と支援をお願いしたい内容のトップ20をご紹介します。

 

発達障害者が「こうすれば食べられるようになる」「食べるための行為なので理解して欲しい」いう内容ですので、発達障害を持つ子供の偏食を改善するのに役立つと思います。

 

普通なら「行儀が悪い」「わがままだ」とされる行為が多いですが、理解することで発達障害児の偏食を改善する手助けになること間違いなしですよ!

 

  • 生野菜は火を通せば臭いがしなくなるので、そうして欲しい。
  • 外食でも個室なら食べることができる。
  • 初めての食べ物は事前に紹介してくれれば食べることができる。
  • 自分で選んだ食べ物は美味しく味わって楽しんで食べることができる。
  • こまめにおやつをつまむことを許して欲しい。
  • お皿から取るおかずは、取り皿を決めて食べ過ぎを減らすようにしている。
  • 空腹の目安として一番頼りにしているのは時刻です。
  • ガムを噛むと気持ちが安定します。
  • 一人になれば、少しは食べられる時もあります。
  • 一度に少量ずつ何度も食べて、空腹になるのを防いでいます。
  • 食事は一人分を分けてくれると食べる量がわかりやすいのでそうして欲しい。
  • 歯ごたえのあるものを振りかければ、嫌いな食感をごまかせる時がある。
  • 座る席、座る場所がいつも同じの行きつけのお店は安心できる。
  • 舌触りが柔らかくて口の中で刺さらない食べ物なら食べられる。
  • 硬いものは大きく、柔らかいものは小さく切ると、誤嚥が減って食べやすい。
  • レタスを食べると血が綺麗になった気がする。
  • みんなで食べる時、一皿でお終いなら食べることができる。
  • 生野菜はドレッシングで雑草の臭いがかなり消えるのでそうして欲しい。
  • キャベツの千切りは細くて水でさらせば、臭いが消えて食べやすい。
  • 嫌いな食べ物もつぶして練り混ぜれば、歯ごたえや舌触りをごまかせるのでそうさせて欲しい。

発達障害児の偏食を改善するには?

このように発達障害で苦しんでいるご本人も、自分が食事をするために工夫している事がわかります。

 

なので、もし子供からこうすれば食べることができるかも…と提案があれば、わがままと考えずに調理の工夫をしてあげることが偏食を改善するきっかけになります。

 

まず、自分の子供をじっくりと観察し、なぜ食べられないのか、どうすれば食べることができるのか知ることから始めましょう。「おかしなことをしてるなぁ」と思う奇妙な行動が、ヒントになるかもしれません。

 

なぜ苦手なのか、そうするのか理由がわかれば調理方法を工夫する事で偏食で食べない食材でも食べることができるようになるかもしれません。

 

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

子供 偏食

人気記事TOP10

子供 孤食 1

偏食の一番怖いところは、「偏食の悪影響」が、子供が成長し大人になってから判明することです。   子供に好き嫌いが多くて偏食だと、成長に必要な栄養が足りなくなり健康や発育に大きな影響を与える可 ...

子供 サプリ 2

子供が偏食で必要な栄養素が摂取できない、共働きで子供に必要な栄養素を考えた料理を作る余裕がない…。   ご家庭により様々な理由があるとは思いますが、もし子供用サプリメントを子供に飲ませてあげ ...

子供 野菜嫌い 3

子供の野菜嫌いを治す方法としては、野菜のレシピを工夫して子供でも食べることができる料理を作ることが一般的です。   でも、味や食感をいくらごまかしても頑固に食べない子供はいますよね…。 &n ...

子供 集中力 4

子供に集中力が無くて困っているご家庭は多いと思います。   特に最近は昔に比べると携帯ゲームにスマホと手軽に楽しめるものが身近にありますから、特に集中力がないお子さんは、家庭学習が疎かになっ ...

子供の便秘 改善 5

子供の便秘に困っているご両親は、やっぱり偏食との関係を疑ってしまいますよね?   「子供が野菜嫌いなので便秘になっている」とか「お菓子ばかり食べているから便秘になる」と考え、なんとか野菜中心 ...

子供 口内炎 治らない 6

子供・幼児の口内炎の原因は、大人と同じで本当にたくさんあります。   一番多いのは、単純に口腔内の粘膜を自分の歯で傷つけたり、食事時に噛んでしまって起こるカタル性口内炎です。   ...

adbd9e2662bc87958bae5ef74b9cfb82_s 7

子供が大好きなものの1つに炭酸飲料があります。   コーラやサイダー、最近では果実ジュースに微炭酸を入れて口当たりを良くした清涼飲料水もたくさん販売されています。   この炭酸飲料 ...

子供 食習慣 8

最近、太り過ぎの子供がアジアで問題になっていますよね。   太りすぎの子供と言えば、アメリカといったイメージがありましたが、近年は中国や東南アジアでも親の甘やかしによる子供の肥満が問題になっ ...

子供 野菜嫌い レシピ 9

偏食の子供でも食べやすいレシピを紹介しています。 ここでは野菜嫌いの子供でも野菜をたっぷり摂れる料理をシェアしますので、よかったら参考にしてください。   子供が偏食になってしまう3つの原因 ...

子供 背を伸ばす 10

子供の偏食に悩むご家族さんは、成長期に栄養不足でも標準以上に成長できるのかな…と心配になっている方が多いと思います。   特に、男の子がスポーツでいい成績を残したいと頑張るお子さんだったり、 ...

-偏食と病気
-, ,

Copyright© 子供の偏食トータルガイド , 2018 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.